FirstClass 11.0の新機能
FirstClass 11.0 の新機能と修正点について説明します。本説明は FirstClass 10.0 Server SP2 Build 883 および Internet Services SP4 Build 10.017 以降に追加された内容です。
1.検索機能の強化
FirstClass 10で実装された、インデックス化による高速検索がさらに強化され、より便利になりました。
検索機能の強化ポイント、修正点は以下の通りです。
インデックス検索の強化
- アーカイブサーバ(別名ライブラリサーバ)およびVLSライセンスのサーバでは、インデックス検索が無効にされました。
- グループのプロフィールをインデックス化して、検索時に検索結果として取得できる機能が追加されました。
- インデックスがクエリタイプまたはクエリ用語を処理できない場合、検索が旧式の検索方式に戻るようになりました。
- 監査時に見つからなかったアイテムをインデックスから削除する処理が強化されました。
- 削除済みアイテムを検索するためにごみ箱が使用された場合のフラグに関する問題を修正しました。
- 検索時にクラッシュする問題を修正しました。
2.Webクライアントの強化
さまざまな点が改良され、より強力なWebクライアントになりました。
Webクライアントの強化ポイント、修正点は以下の通りです。
標準Webクライアント11.0 R3
- スクリプトに関する小さなエラーを修正しました。
- ツリー表示で画像の基本設定を保存する場合の問題を修正しました。
- 検索の詳細な並べ替えとグループ化に関する問題を修正しました。
- 検証キーが有効な場合にコンタクトとメールリストの [ このユーザが宛先のメールを作成 ] ボタンで発生する問題を修正しました。
- アイテムを選択しているときにツリー表示から高度な検索を行う場合のスクリプトエラーを修正しました。
- 新しい [ カレンダーの予定 ] フォームの繰り返し設定がうまく動作しない問題を修正しました。
- カレンダー関連のさまざまな問題を修正しました。
3.インターネットサービスの新機能
新機能の追加や、機能強化を行い、より安定したインターネットサービスになりました。
インターネットサービスの新機能、修正点は以下の通りです。
全般
- 新しいインターネットサービスアイコンが導入されました。
- user.headermatchファイルをサポートするようになりました。
- FCPのサブプラットフォームを指定するために使用できる認証フィールドappplatformtypeが新しく追加されました。
- 新しいカレンダーの繰り返しフィールドをサポートするようになりました。
- FirstClass 11クライアントで行われたカレンダーに対する変更に合わせて、さまざまな変更が行われました。
- rules.SMTPDebugドキュメントに対するサポートが正しく実装されるようになりました。メールルールの設定出力機能が追加されました。AltBodyでUTF8以外の任意の文字が変換されるようになりました。
- メールルールで不正なRCPT TOアドレスを表示できる機能が追加されました。また、最後のSMTPプロトコルエラーを返す$LastSMTPError変数が定義済み変数として追加 されました。例えば、拒否されたリレー受信者については、この変数を530に設定します。
- SMTPの受信でtext/html部分に許可されない解析エラーがある場合の、後続の0xfa文字に関する問題を修正しました。
- Hotmailから受信したSMTPメッセージでの日本語の文字化けを修正しました(行の最大長は8K)。
- POP3サーバが、AltBodyの内容に対してもプレーンテキスト出力およびHTML出力の送信をサポートするようになりました。この設定は、[メールの詳細設定]フォームで行います。
- IMAPでもPOP3とほぼ同じ変更が行われ、必要に応じてtext/plain形式をサポートするようになりました。
- IMAP UNSELECT拡張をサポートするようになりました。
- IMAP FETCHコマンドによって使用される、未送信メッセージの取得に関する問題を修正しました。
- HTTP:詳細表示用(filestorage、typedfolders、regularfolders、 typedconferences、regularconferences)の新しい定義済みフィルタobjtype/subtypeが、URLパラメー タおよびHeaderMatch DAVフィルタオプションの両方に追加されました。
- HTTP:ファイル、サブタイプを持たない会議室とフォルダ、およびストレージフォルダに対して、デフォルトのDAVフィルタが変更されました。
- HTTP:2つの新しいHeaderMatchオプション(containerviewとdefaultsortgroup)が追加されました。
- HTTP:インターネットサービスが「<where the resource lives>:<name of resource file>」フォームで所定のリソースフォームを取得する場所を出力する<X-FCRESOURCE>, "LOCATION"に、新しい書式引数が追加されました。この引数は、所定のリソースのために使用されている言語ファイルを確認するのに最適です。
- HTTP:デフォルトのHTML本文入力形式を設定するオプションと、最新のNamevalを使用するテンプレートセットの「KeepNames」フラグを自動設定するオプションが、HeaderMatchに新しく追加されました。
- HTTP:固有のセッションURLを使用しているときに発生していた複数の問題を修正しました。
- HeaderMatch: timeout = <minutes>を使用して、ヒット数ベースでデフォルトのHTTPタイムアウトを上書きできる機能が追加されまし た。<minutes>に設定できる値は1~60です。デフォルトの値は1分です。
- HTTPMailに複数のコードが追加され、レガシ文字セットと空の本文を含むドキュメントを保存時にUnicodeに変換できるようになりました。
- HTTPアップロード機能にウイルススキャン機能が追加されました。使用するスキャンエンジンは、メール/ウイルス対策の詳細設定フォーム、およびWebとファイル/HTTP/アクセスの詳細設定フォームに追加された新しいチェックボックスで設定します。
- LDAPサーバのサポートが強化され、ユーザID属性に対してクライアントIDではなくユーザIDを返すことができるようになりました。ただし、ユーザ IDを返す処理はパフォーマンスに大きな悪影響を及ぼすことにご注意ください。[ディレクトリの詳細設定]フォームは、このオプションを選択できるように 変更されました。
- セッションモニタ/タスクモニタのスキーマコードが更新されました。
- ゲートウェイの接続に失敗したときにフィルタリング用ドキュメントが強制的に再読み込みされるようになりました。
- ログの行における日付の出力を修正しました。
HeaderMatch Document 11.0 R2
- BFAPIのバージョン1.1をサポートするためのさまざまな変更が行われました。
- (特にWebDAVクライアントおよびBlackBerryクライアントを使用したFirstClassスイート環境で)FirstClass11の使用 を開始したときに既存のFirstClassユーザが行わなければならない管理設定を簡単にするために、検証キーがデフォルトで無効にされました。
MIME Types Document 10.1 R2
- バージョン 10.1 および 11.0 のインターネットサービスに合わせた更新と変更が行われました。
4.ソーシャルワークプレイス(OTSW)
機能追加により、リアルタイムのコミュニケーションをさらに促進させる強力なツールになりました。
ソーシャルワークプレイスの新機能、修正点は以下の通りです。
全般
- 新しく公開コミュニティが作成されたときや、公開コミュニティへの招待があったときに、[最近の活動]が更新されるようになりました。
- 新しいユーザが初めてログインしたときに、[最近の活動]が更新されるようになりました。
- ユーザが新しいブログエントリを投稿したときに、[最近の活動]が更新されるようになりました。
- ソーシャルワークプレイスのコミュニティおよびブログに、新しい(スレッドベースの)有効期限設定が導入されました。
- ソーシャルワークプレイスの一機能である電子メール通知で使用するために生成されるURIが、正しくエンコードされるようになりました。
HeaderMatch Document 11.0 R2
- ソーシャルワークプレイス用テンプレートで使用するための変更がいくつか行われました。
MIME Types Document 10.1 R2
- ソーシャルワークプレイス向けのサポートが追加されました。
5. FirstClass サーバの新機能
FirstClass サーバの新機能、強化ポイントを紹介します。
FirstClassサーバの新機能、修正点は以下の通りです。
全般
- 新しいサーバアイコンが導入されました。
- FirstClassで使用できるデフォルトのセッション数が250から500に増えました。同時使用ユーザ数が500名を超えるサイトでは、High Capacityライセンス(501~2500名)またはVLSライセンス(2501名~)が必要です。
- セッション数が、ユーザのログイン数の合計ではなく、ユニークユーザアカウントのログイン数で計算されるようになりました。例えば、1人のユーザがデスク トップクライアントとモバイルクライアントを同時に使用して自分のアカウントにログインした場合は、1セッションとカウントされます。
- また、ゲートウェイアカウントのログインが、セッション数のカウントに含まれなくなりました。セッション数に関するこの2つの変更により、サーバで利用できるデフォルトの同時セッション数が増え、サイトの規模が拡大しても追加ライセンスを購入する必要がなくなりました。
- [サーバの管理]権限以上の権限を持つユーザは、ログインが無効にされている場合でもログインができるようになりました。
ライセンス
- 新しいFirstClassスイートライセンスに対するサポートが追加されました。これはサイトがFirstClassインストールであることを定義する ものです。スイートライセンスでは、ソーシャルワークプレイスを制限なく利用できる権限と、一部のFirstClassアーキテクチャアプリケーションを 利用する権限が与えられます。新規、および有効な年間更新契約を結んでいる既存のFirstClassサイトには、これらの権限が与えられます。
- 権限グループ(ユーザグループ)ライセンス方式が導入されました。
所属グループ設定が適用され、該当のチェックボックスにチェックが入っているユーザは、そのライセンスを1ライセンス分要求することになります。
ソーシャルワークプレイス
- [最近の活動]コンテナがサポートされるようになりました。
- ソーシャルワークプレイスのアイテムが、古いバージョンのクライアントに送信されないようになりました。
カレンダー
- 個人用カレンダーのエイリアス名に、その所有者の名前が使用されるようになりました。
- 自分のカレンダーにユーザを登録した場合に、そのエイリアスが、ユーザのデスクトップではなくカレンダーに直接表示されるようになりました。
コアサービス
- セッションモニタで、リスト全体が表示されるのではなく、変更されたセッションのみが更新されるようになりました。このため、セッションモニタを開いた時点で空であったセッションは表示されなくなります。
- [セッションモニタ]ウィンドウにIPアドレスのデータが表示されるようになりました。
ユーザセッションおよびリモートユーザセッションのピーク時の使用状況がサーバによって追跡され、[サーバモニタ]の[ユーザ]タブに表示されるようになりました。
- インデックスの最大文字数が大幅に増えました。
- (Windows)[Console To File]がデフォルトで有効になりました(Mac OS XとLinuxではすでにデフォルトで有効になっています)。
- (Windows)終了要求があったときにOSに対してプログレス信号が送信されるなど、Windowsサービスとしての動作が向上しました。
その他の修正点
- 新しいフィールドが更新されても、ヘッダのバージョンが更新されないように変更されました。以前は、これが原因で、既存の添付ファイルの名前が誤って変換されていました。
- 以前のバージョンのサーバでは、SMTPプラットフォームによるログイン、インターネットサービスアカウントを除くすべての アカウントによるログイン、またはインターネットサービスプラットフォームによるその他のログインが行われると、サーバが自動的にメールボックスを表示し ていました。この仕様が変更され、コンテンツサービスプラットフォームによるログインに対しては、メールボックスの自動表示が行われないようになりまし た。
- MTAで、再キューイングやおよび保留時にエントリがリストから失われることがある問題を修正しました。
- 警告ログオフ通知を必要とするゲートウェイの問題を修正しました。メールボックスが表示されていない状態でも、メールボックスの削除が追跡されるようにな りました。メールボックスベースのゲートウェイがログオフされた場合、または削除済みアイテムの数がしきい値を超えた場合に、小規模な監査が正しく行われ るようになりました。この監査は、メールボックスベースのセッションでのみ開始されます。
- 新しいタスク間通知システムにより、サブオブジェクトが変更されたときにユーザセッションに通知できるようになりました。ただし、パフォーマンス上の理由 から、この機能はデスクトップ上では現在無効にされています(将来のリリースで有効にされる予定ですが、現時点ではデスクトップが2分間「点滅」しま す)。
- キューに再格納されたメッセージが再度アーカイブされたり、場合によっては一部またはすべての受信者に対して処理が再度行われたりする問題を修正しました。
- 参加者を追加するときに、関連する適切な共有権限がサーバによって要求されるようになりました。現在のところは、新しい参加者を追加しようとするときに権限の有無が確認されます。
- メッセージのエラー事例を送信しようとするとクラッシュする問題を修正しました。
- 以降のページにさらにレコードが存在する可能性を確認するときに、SingleMatchのケースが正しく認識されるように変更されました。
- メッセージ配信が有効になっているときの統計ログで、件名が日本語の場合にその件名の詳細情報が以前は文字化けしていました。
- 拡張文字の切り詰め部分における問題を修正しました。特に、会議室グループの[権限]ボタンを押したときにウィンドウ名の日本語文字セットが文字化けする問題を修正しました。
- 一部のオブジェクトのウィンドウ名と件名で、32バイト以上の長い名前が切り詰められたり、31文字目で日本語文字セットが文字化けしたりする問題が修正されました。
- (Linux)メモリ統計値の計算で値が急上昇し、そのために起動時に不適切なメモリ処理が行われる問題を修正しました。これにより、(インターネットサービスなどで)使用可能なメモリをアプリケーションがすべて使い果たしてしまう問題を解決できます。
- (LinuxおよびMac OS X)メモリ統計値の取得が簡素化され、多くのエラーが回避されるようになりました。
6.サーバの管理
システムの管理が容易な点もFirstClassの特長です。管理機能の追加や強化が行われ、さらに管理しやすくなりました。
サーバの管理に関する新機能、修正点は以下の通りです。
全般
- ネットワークセッションの設定を[System Tools]フォームで行う必要がなくなり、この項目は削除されました。起動時にはネットワークセッションは作成されず、必要なネットワークセッション (接続)数が現在のセッション容量を下回った場合に、ログイン時にオンデマンドでネットワークセッションが割り当てられるようになりました。
- FirstClass通知機能の制限に関する設定を[システムプロファイル]フォームで行う必要がなくなり、この項目は削除されました。通知機能テーブルが動的に拡大するようになったため、上限を指定する必要がなくなりました。
- 通知テーブルがディスクに保存され、起動時に再読み込みされるようになりました。サーバの再起動を繰り返しても、通知機能の動作は維持されます。
- 管理者がユーザのデスクトップを表示している場合に、そのユーザのデスクトップのサブコンテナで適切な権限が適用されなくなる問題がなくなりました。
グループ管理
- 組織単位(OU)のポップアップリストの機能が強化され、以下の図のように、ユーザのOUグループが先頭に表示されるようになりました。
- [グループ権限]フォームと[ユーザ情報]フォームの権限で、アクセス方法として[FirstClassクライアント]チェックボックスとは別にモバイル クライアント(Mobile client) チェックボックスが用意されました。サーバを初めて起動すると[FirstClassクライアント]チェックボックスの状態がモバイルクライアント (Mobile client)チェックボックスにコピーされるため、管理者が特に設定しない限りサーバの動作設定は維持されます。
- 3つの新しいタイムゾーン(アルマトイ、ビシュケク、ヌーク)が追加されました。
- SysIDTableのグループ名の数が(32から63に)増えました。
FirstClassスクリプト(バッチ管理)
- パスワードの取得をオプションで常に無効にできるようになりました。無効化は、以下のFirstClassスクリプトコマンドで行います。
ACTIVATE SECUREPASSWORDS +FINAL - 以下のPUTコマンドを使用して、グループ用のプロフィールを設定できる機能が追加されました。
PUT ABOUT <GroupName> <FieldID> <FieldType> <FieldValue>
例
PUT ABOUT "Web Services" 1000 14 1978 1001 0 "Testing 1-2-3" - PGADDコマンドとPGDELコマンドを使用してディレクトリを変更した場合に、サービス通知が行われるようになりました。
- 名前が32文字以上ある添付ファイルのインポートに関する問題を修正しました。
コアサービス
- システムのパフォーマンスが全体的に向上しました。
クラッシュレポート
- (Windows)DMPファイルが、INIオプションを設定しなくても生成されるようになりました。デフォルトでは非常に小さなダンプが生成され、ス タックと、スタック上のアドレスによって直接参照されたヒープページがコンパクト表示されます。DMPファイルを書き込むかどうか、およびそのファイルに 含めるデータの量については、INIオプションの設定が引き続き優先されます。
- (Mac OS XおよびLinux)クラッシュ時には小さな.crsファイルが生成され、(コアファイルの場所を確認できるなど)最低限の情報が表示されるようになりま した。以下で説明するレポート方式がシステムで選択されている場合、このファイルは起動時に消去されます。
起動時に、管理者がクラッシュレポートシステムを選択すると、クラッシュログのチェックボックスにチェックが入れられます。ログはZIP形式で圧縮され、 アップデートサーバ経由でFCOLにあるOpen Textの社内開発者向け会議室に添付ファイルとして送信されます。
プライバシ上の理由により、このオプションは有効/無効を選択できるようになっています。[サーバツール]フォームは変更され、以下の図のように、このオプション用の新しいチェックボックスが追加されています。
監査
- コンテナ単位の監査でインターネットサービスのメールボックスから期限切れのメッセージが削除されない問題を修正しました。
- 監査(およびその他の類似の処理)で、セッションの割り当て方法の変更に関する問題を修正しました。
- ユーザの未読の追跡設定を調整した場合のレポート機能が向上しました。
- シャットダウン時にサービスの監査が行われないようになりました。
- SysIDTable診断メッセージからメールボックスが除かれ、削除されたレコードのFIDが含まれるようになりました。
- 更新チェックの問題を修正し、アカウントのメールボックスが正しく識別されるようになりました。
- 監査のときにサーバがフォルダ内のファイルに対してサブディレクトリの検索を繰り返してクラッシュするという問題を修正しました。
7.フォーム
フォームの新機能、強化ポイントを紹介します。
フォームに関する新機能、修正点は以下の通りです。
ソーシャルワークプレイス
- [コンテナ用テンプレート]フォームに公開コンテナチェックボックスが追加されました。標準グループの公開コミュニティ(Public Community)では、このボックスをチェックする必要があります。
グループ管理
- グループフォームで、グループ名の長さが32バイト以上ある場合に、ボタンを押しても正しいグループデータが検索されない問題を修正しました。グループモ デルの表示した際に1048エラーとなる問題および類似の問題を修正しました(それらのグループのルールやリソースの表示に関する類似の問題も含む)。
「FirstClass 11.0の新機能」(PDFファイル182KB)はこちらからダウンロードできます。