ライセンスの動作
ユーザがサーバに接続する方法
ユーザは、以下のさまざまな方法でFirstClassサーバに接続して、その機能を利用できます。
・TCP/IPまたはUDP/IPを使用したネットワーク経由
・さまざまなインターネットプロトコル(HTTP、POP3、IMAPなど)を使用したインターネット経由
・BlackBerryやiPhoneなどのモバイルデバイス経由
接続方法を検討する際は、以下の点にご注意ください。
・さまざまな方法で何度ログインしたかにかかわらず、1人のユーザは1つのライセンスのみを使用します。
・接続方法はすべて自由に選択できます。システムで設定する必要があるのは、実際に使用する予定の接続方法だけです。
・インターネットサービスを利用するには、TCP/IPが必要です。インターネットサービスの詳細は、オンラインヘルプの「インターネットサービス」のセクションを参照してください。
利用可能制限数
FirstClassサーバにログインしたユーザは、レギュラーユーザライセンスまたはリモートユーザライセンスを使用します。ただし、ユーザに対応できる基本的な利用可能制限数に達した場合、ユーザは接続することしかできなくなります。
基本的な利用可能制限数は最大で500ユニークユーザですが、購入したユーザ数によって異なります。500を超えるユーザ数が必要な場合は、High Capacity ServerライセンスまたはVLSライセンスを購入する必要があります。
標準の利用可能制限数 |
レギュラーユーザで最大500のユニークユーザをサポート |
High Capacity Serverライセンス |
レギュラーユーザで最大2500のユニークユーザをサポート |
VLSライセンス |
レギュラーユーザで最大2500のユニークユーザをサポート |
注意
ライセンスはユーザにのみ適用されます。ゲートウェイや各種サービスの接続には、ライセンスは必要ありません。
レギュラーユーザクラスとリモートユーザクラス
ユーザには、レギュラーユーザとリモートユーザの2つのクラスがあります。ソフトウェア業界では、この2つのライセンスは、それぞれネームド(通常)ユーザライセンスとフローティング(リモート)ユーザライセンスと呼ばれることがあります。ユーザを新しく追加する場合は、そのユーザの[ユーザ情報]フォームでクラス(レギュラーまたはリモート)を指定します。ユーザの追加に関する詳細は、こちらを参照してください。
レギュラーユーザもリモートユーザも、任意のプロトコルで接続できます。接続方法が、ユーザのクラスや必要なユーザライセンスの種類に影響を与えることはありません。レギュラーユーザは、自宅からTCP/IP経由でログインしてもレギュラーユーザとして承認され、レギュラーユーザライセンスが使用されます。リモートユーザは、ローカルネットワーク経由でログインしてもリモートユーザとして承認され、リモートユーザライセンスが使用されます。接続方法にかかわらず、ユーザのクラスに対応するライセンスが使用されます。
レギュラーユーザ
レギュラーユーザとして登録するユーザには、レギュラーユーザライセンスが必要です。登録できるレギュラーユーザの数は、所有しているレギュラーユーザライセンス数までとなります。通常、企業でFirstClassを使用する場合は従業員がレギュラーユーザとし、学校で使用する場合は学生と教職員レギュラーユーザとしますが、必ずこのように設定しなければならないわけではありません。いつでもレギュラーユーザライセンスを追加購入して登録できます。
リモートユーザ
ユーザ数を制限しない場合は、リモートユーザとしてユーザを設定できます。登録できるリモートユーザの数に制限はありません。ただし、同時にログインできるユニークユーザの数は、所有するリモートユーザライセンス数までとなります。リモートユーザライセンスはリモートユーザどうしで共有するもので、いつでも追加購入して登録できます。通常、企業でFirstClassを使用する場合は顧客をレギュラーユーザとし、学校で使用する場合は保護者をレギュラーユーザとしますが、必ずこのように設定しなければならないわけではありません。
ライセンスの購入に関する詳細は、FirstClassの販売代理店にお問い合わせください。
ユーザのクラスによる動作の違い
ここまで、ユーザのクラスについて説明しましたが、ここからは、レギュラーユーザとリモートユーザで動作が多少異なることについてご説明いたします。
レギュラーユーザは常にログインできます(ただし、レギュラーユーザにはそのユーザ用に購入されたレギュラーユーザライセンスが付与されます)。レギュラーユーザに適用される制限は、標準の利用可能制限数だけです。
リモートユーザは、未使用のリモートユーザライセンスが存在する場合にログインできます(ただし、リモートユーザは他のすべてのリモートユーザとリモートユーザライセンスの数を共有します)。
解説
この考え方をたとえ話で説明します。ご利用のシステムを映画館にたとえてみましょう。
レギュラーユーザライセンスは、指定席券のようなものです。指定席券(レギュラーユーザライセンス)を購入すると、指定席に座ることになります。指定席券を購入しない限り、指定席に座ることはできません。
リモートユーザライセンスは、自由席券のようなものです。自由席は早く入場して座席を確保することが前提で、満席になれば、たとえ指定席に空席があっても座ることはできません。
映画館の総座席数は、適用される利用可能制限数の種類を表します。大きい利用可能制限数を購入すれば、座席数を増やすことができます。追加できる座席数は、映画館の収容能力に制限されます。これは、サーバで言えば、搭載されているメモリとディスクの容量にあたります。次の図は、標準の利用可能制限数(映画館)に含まれるレギュラーユーザ(予約席)とリモートユーザ(自由席)を表しています。

事例
以下の事例をご覧ください。
事例1(企業)
・500名の従業員のためにレギュラーユーザライセンスを購入し、[ユーザ情報]フォームでレギュラーユーザとして登録。
・5000名の顧客を[ユーザ情報]フォームでリモートユーザとして登録。
・基本的な登録制限数は500ユニークユーザ。
・500個のレギュラーユーザライセンスを所有(システム上のレギュラーユーザ1人につき1ライセンス)。
・10個のセッションライセンスを所有。
この事例では、以下のような状況になる可能性があります。
・500名の社員がすべてログインすると、サーバが利用可能制限数に達するため、顧客は誰もログインできなくなります。
・10名の顧客がログインすると、サーバが利用可能制限数に達するため、従業員は490名までしか接続できなくなります。
・ログインする社員が50名でも、顧客は10名しか接続できません。レギュラーユーザライセンスがすべて使用されているわけではない場合でも、顧客はリモートユーザとしてしかログインできず、使用できるライセンス数は10個しかありません。
注意
各ユーザは、複数のデバイスを使用して自分のアカウントにログインできますが、そのときには1ライセンスのみが使用されます。
事例2(学校)
・20名の教職員と500名の学生のために、合計で520名のユーザを[ユーザ情報]フォームでレギュラーユーザとして登録。
・2000名の保護者を[ユーザ情報]フォームでリモートユーザとして登録。
・標準の利用可能制限数は500ユニークユーザ。
・520個のレギュラーユーザライセンスを所有(システム上のレギュラーユーザ1人につき1ライセンス)。
・30個のセッションライセンスを所有。
この事例では、以下のような状況になる可能性があります。
・50名の教職員と450名の学生がログインすると、サーバが利用可能制限数に達するため、これ以上多くの学生はログインできず、また保護者は誰もログインできません。
・30名の保護者がログインすると、サーバが利用可能制限数に達するため、教職員と学生は合わせて470名しかログインできなくなります。
・教職員と学生が合計50名ログインすると、保護者は30名までしかログインできなくなります。レギュラーユーザライセンスがすべて使用されているわけではない場合でも、保護者はリモートユーザとしてしかログインできず、使用できるライセンス数は30個しかありません。
・5名の新しい教員が赴任したとします。この場合、5つのレギュラーユーザライセンスを追加購入して、新しい教員がシステムに接続できるようにする必要があります。または、リモートユーザライセンスの数に余裕がある場合には、リモートユーザとして5名の教員を追加できます。ただし、これら5名の教員がログインすると、30個あるリモートユーザライセンスのうち5個が使用されるため、ログインできる保護者の数が少なくなります。
注意
各ユーザは、複数のデバイスを使用して自分のアカウントにログインでき、その際には1ライセンスのみが使用されます。
|