InetSvcs.cfファイルとログファイルの取得
InetSvcs.cfファイル
InetSvcs.cfファイルはインターネットサービス実行ファイルと同じフォルダ内にあり、インターネットサービス起動時の初期オプションの一部を設定するために使用します。このファイルは、[Config]と[Debug]の2つのセクションから構成されています。
[Config]セクション
InetSvcs.cfファイルの[Config]セクションには、以下の2つのスイッチを記述できます。
Console = [-1 | 0 | 1]
および
Logging = [-1 | 0 | 1]
また、以下の信号設定を含めることができます。
・SET_SIGUSR1
・SET_SIGUSR2
・SET_SIGINFO
・SET_SIGVTALRM
Consoleスイッチは、インターネットサービス実行時にコンソールを表示するかどうかを決めるために使用します。このオプションが設定できるのは起動時だけです。この設定を変える場合は、スイッチの値を変更してインターネットサービスを再起動する必要があります。
Loggingスイッチは、インターネットサービスの実行中にログ情報をディスクに記録するかどうかを決めるために使用します。Consoleスイッチとは異なり、この設定はインターネットサービスの実行中でも変更できます。[インターネットモニタ]の[コントロール]タブで[ログをディスクに書き込み]ボタンを使用するか、またはインターネットサービスのコンソールで[Diagnostics]>[Console to File]を使用します(コンソールが表示されている場合)。
注意
[ログをディスクに書き込み]と[Console to File]による変更は一時的に反映されるだけで、インターネットサービスを再起動すると(InetSvcs.cfファイルで設定されている)デフォルト設定に戻ります。
ConsoleスイッチとLoggingスイッチは、どちらも以下の3つの値を取ることができます。
・1(有効)
・0(無効)
または
・-1(デフォルトを使用)
各スイッチのデフォルト値は、インターネットサービスを実行しているプラットフォームと、その実行モードによって決まります。インターネットサービスがWindowsのサービスかUnixのデーモンとして実行された場合、デフォルトではコンソールは無効になっています。それ以外の場合は有効になっています。
注意
Linux版およびMac OS X版のインターネットサービスでは、コンソールを利用できません。その場合、このスイッチの設定は無視されます(コンソールは常に無効です)。
通常、ログファイルの取得は、コンソールが有効な場合は無効に、コンソールが無効な場合は有効になっています。
OS X版およびLinux版のインターネットサービスは、インターネットサービスのプロセス宛に送信して一部のコマンドを起動できる信号のセットをサポートしています。処理される信号のリストは、fcisdを-help引数とともに起動すると、デフォルトの動作とともに出力されます。
SIGQUIT(3) |
Quit(終了) |
SIGHUP(1) |
Get Configuration(確認メッセージの表示) |
SIGINFO(29) |
Task List(タスク一覧)(OS Xのみ) |
SIGVTALRM(26) |
Task List(タスク一覧) |
SIGUSR1(10/30) |
Force Internet Connection(今すぐインターネットに接続)(Linuxでは10、Mac OS Xでは30) |
SIGUSR2(12/31) |
Flush HTTP Cache(HTTPキャッシュのクリア)(Linuxでは12、Mac OS Xでは31) |
上記の動作は、[Config]セクションにあるinetsvcs.cfファイル内のエントリで、次のキーワードを利用して再定義できます。
SET_SIGUSR1
SET_SIGUSR2
SET_SIGINFO
SET_SIGVTALRM
各キーワードの値は、1つのコマンド番号として記述するか、または二重引用符で囲んだ複数のコマンド番号をコンマ区切りで記述します。コマンド番号は、以下のように、FCUTILコマンドに与えられる番号と同じものになります。
コマンド番号 |
コマンド/診断メニュー項目 |
1100 |
サービスタスク一覧の表示 |
1101 |
Display DNS Cache(DNSキャッシュの表示) |
1102 |
Display Kernel Task List(カーネルタスク一覧の表示) |
1103 |
Display Kernel Statistics(カーネル統計値の表示) |
1104 |
Flush HTTP Cache(HTTPキャッシュのクリア) |
1107 |
Display HTTP Cache(HTTPキャッシュの表示) |
1110 |
Display Import Tables(インポートテーブルの表示) |
1111 |
Console to File(コンソールのログをファイルに記録) |
1112 |
Display Temporary IP Block List(IP一時ブロックリストの表示) |
1113 |
Flush Temporary IP Block List(IP一時ブロックリストのクリア) |
1114 |
Display Blackholed Connections(接続保留数の表示) |
1115 |
Flush Blackholed Connections(接続保留数のクリア) |
1116 |
General Statistics(一般的な統計値) |
1117 |
Reset Log levels(ログレベルのリセット) |
1118 |
Zero All Log levels(すべてのログレベルを0に設定) |
1119 |
Display Abuse List(悪用リストの表示) |
1120 |
Flush Abuse List(悪用リストのクリア) |
1121 |
Display Alias Tables(エイリアステーブルの表示) |
1122 |
Display MIME Types(MIMEタイプの表示) |
1130 |
Turn SyncServices console off(同期サービスコンソールの無効化) |
1131 |
Turn SyncServices console on(同期サービスコンソールの有効化) |
1150 |
Display Memory Leak statistics(メモリリークの統計値の表示)(特別なバージョンのみ) |
1151 |
Start Memory Leak tracking(メモリリークの追跡の開始)(特別なバージョンのみ) |
1152 |
Stop Memory Leak tracking(メモリリークの追跡の停止)(特別なバージョンのみ) |
1153 |
Display Memory Tracking list(メモリ追跡リストの表示)(特別なバージョンのみ) |
1154 |
Display Memory Handle table(メモリ処理テーブルの表示)(特別なバージョンのみ) |
10000 |
Get Configuration(確認メッセージの表示) |
10001 |
Force Internet Connection(今すぐインターネットに接続) |
10002 |
Set Priority to High(優先度を[高]に設定) |
10003 |
Set Priority to Medium(優先度を[中]に設定) |
10004 |
Set Priority to Low(優先度を[低]に設定) |
10005 |
About Internet Services(インターネットサービスについて) |
10006 |
Shutdown Internet Services(インターネットサービスを終了) |
例えば、USR1信号が受信されたときにカーネルタスク一覧を表示し、続けてカーネル統計値を表示するには、inetsvcs.cfファイルに以下のように番号を追加します。
[Config]
SET_SIGUSR1 = "1102, 1103"
[Debug]セクション
InetSvcs.cfファイルの[Debug]セクションは、インターネットサービスのデバッグの開始レベルを設定するために使用します。このファイルで使用されるデバッグのキーワードは、「DBG_」という接頭辞です。例えば、
インターネットサービス起動時にHTTPサーバのデバッグの開始ログレベルを3に設定するには、InetSvcs.cfファイルの[Debug]セクションに以下の行を追加します。
DBG_ICHTTP = 3
HTTPサーバのデバッグキーワードは「ICHTTP」であるため、このように記述します。
インターネットサービスのログファイル取得
インターネットサービスでは、ログ情報をディスクに記録するように設定できます。こうすれば、後でログ情報を調べることができます。インターネットサービスのログファイルは、InetSvcs.log(Windows)またはfcisd.log(Mac OS X)という名前です。このファイルはインターネットサービスの実行ファイルと同じフォルダ内にあります。
インターネットサービスは、起動時に新しいログファイルを作成し、古いログファイルの名前をInetSvcs.OLD(Windows)またはfcisd.old(Mac OS X)に変更します。それより前に作られたinetsvcs.oldファイルは削除されます。
デフォルトでは、インターネットサービスがコンソールなしに実行されていない限り、インターネットサービスのログファイル取得は無効になっています。また。インターネットサービスがコンソールを利用できない(一部のUnix)プラットフォーム上で実行されている場合や、WindowsサービスまたはUnixデーモンとして実行されている場合には、この設定は無視されます。
ログファイルの取得は、the InetSvcs.cfファイルを使用して起動時に有効または無効にできます。また、インターネットサービスの実行中は、インターネットモニタから、またはインターネットサービスのコンソールにある[Diagnostics]メニューから設定できます。
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