ソリューション

須磨学園

学生、教師そして保護者の垣根を取り払いコミュニケーションを行う

学校法人須磨学園 情報部長 宮浦修造先生学校法人 須磨学園
情報部長
宮浦 修造 先生

 

須磨学園とIT教育

須磨学園とIT教育神戸の町並み、明石海峡大橋、神戸空港、そして晴れた日には大阪湾対岸の関西国際空港まで一望できる緑豊かな丘陵地に建つのが学校法人須磨学園だ。同校は2002年に創立80周年を迎えた伝統校で前身は私立須磨女子高校であったが1999年に以前から計画していた男女共学へ移行し須磨学園高校と改称。さらに2004年に中学校を新設して私立須磨学園中学校が誕生した。同校は国際教育プログラムと、IT教育を積極的に推進しているのが大きな特徴となっている。このため中学校設立以前からIT教育に取り組んでおり1985年からカリキュラムに「情報」を取り上げ、1997年には校内LANとインターネットを導入して情報配信を行うなど、インターネットを積極的に授業に取り入れてきたという。現在では100台を超える実習マシン、200台を超える生徒用マシン、さらに100台を超える職員用マシンが配置され、FirstClassとWebサーバによって様々な取り組みが行われている。

パソコンを道具として自在に活用する

パソコンを道具として自在に活用する須磨学園中学校では入学すると、生徒全員にノートパソコンが手渡され、校内どこからでも無線LANでネットワーク接続することが可能だ。もちろん自分専用のマシンなので、自宅に持って帰って宿題などにも使用する。生徒自身にパソコンを自己管理させ日常的な道具として使いこなせるようにしようというねらいだ。

驚いたことに生徒に手渡されるノートPCは、数字や記号は見えるもののアルファベットが書かれたキーボードはキートップの印刷が消されており、タッチタイピングを習得しなければ使いこなすことが出来ない特別仕様になっている。「パソコンを自由自在に道具として活用するにはタッチタイピングは必須です。しかし中学生はとても柔軟ですから、わずか数日間でキー配列を覚えてしまい数週間で完全にタッチタイピングをマスターしてしまいますよ」と情報部長 宮浦先生は語る。 

ExcelやWordなどの一般的なアプリケーションの操作実習などの他、研修旅行や合宿などの活動がある場合、事前学習としてインターネットなどを活用して調査を行ってレポートを提出したり、事後学習としてプレゼンテーションソフトを使用して発表を行ったりWebページを制作するなどの授業が展開されるが、もう一つ忘れてならないのが、FirstClassによるコミュニケーション学習である。

保護者がFirstClassで学校とコミュニケーション

生徒が入学する際、ノートパソコンと同時に生徒本人と保護者にFirstClassのアカウントが与えられ、メール、掲示板、チャットといった環境をすぐに使用することが出来る。FirstClassは元々教師間のコミュニケーション用に使用されていたとのことだが、中学校新設にあたり、学園長の西 和彦 氏の「これからの学生はネットワークでコミュニケーションを深めるべきだ」というアイデアを元に、生徒、学校、保護者のコミュニケーション用にFirstClassが活用されることとなった。

「それまで保護者と学校とのコミュニケーションというと面談が基本だったわけですが、ライフスタイルの変化で双方の時間を合わせるのが非常に難しくなってきています。そこで時間と空間を取り払うことが出来るFirstClassによるコミュニケーションを行うことになりました。」と宮浦先生は語る。

学校や理事長、学園長からの連絡事項などの他、例えば保護者からの欠席の連絡なども従来は電話する時間帯を気にしなければならなかったがメールであれば時間を気にすることなく送信することができる。会議室では各種連絡事項や学年、部活などテーマ別に設けられ、学生、保護者、学校の垣根無くディスカッションが行われている。会議室は放置するとディスカッションが行われ無くなる場合があるため、宮浦先生は適切な時期に適切なトピックを立てるなど工夫して常に活性化する状況を作り出している。

保護者にとって学校生活での子供の様子をもっと知りたいというのはとても強い要望だ。そこで例えば研修旅行に行くと毎日の様子を即座にムービーやフォトレポートとして専用のWebサーバにアップし、FirstClassによってリンクを連絡することで、保護者は家庭で研修旅行の模様を確認することが出来る。「無理して動画配信までFirstClassで行うより、専用のサーバを立てた方が使う側にとってもメリットがあると思います。でもその中心にFirst Classがあればユーザは迷わず必要な情報にアクセスできます。」と宮浦先生は語る。また生徒は下校後にもチャットで生徒間のコミュニケーションを行うのが日常となっており、学校で使用する学習のツールとしてだけでなく、とても楽しい道具としても使用している。しかしFirstClassは授業で課題の提出などにも活用されており、その提出状況はいつでも保護者がモニターすることが可能となっているため、生徒にとっては単に楽しい道具とばかりは言ってられない。

保護者がFirstClassで学校とコミュニケーション

誰でも使えてセキュアなグループウェア

須磨学園では中学校が新設される際、FirstClass以外にも様々なグループウェアを試したとのことだが、必ずしもパソコンに強くない人でも最小限の説明で設定し使用できる製品でなければならない。また学校という閉じたネットワークだけでなく、一般のインターネット網を利用して家庭と学校を繋ぐことを考えるとデータの暗号化等きわめてセキュアな環境が必要となる。さらには家庭においてある様々なOSのマシンに対応したクロスプラットフォーム環境も考慮しなければならない。こうしたことを総合的に判断するとFirstClass以外に選択肢が無かったという。またFirstClassを初めとした各種サーバの管理、FirstClassの各種会議室の管理/運営、生徒や保護者へのヘルプデスク的対応などを非常に少ない人数でこなさなければならない。「FirstClassは今までまったくトラブルも無く非常に安定稼働しています。また、4月の新入学時はそこそこ多いヘルプデスク的対応も6月には、ほとんどなくなります。これは保護者にとってFirstClassの初期設定が容易で、とても使いやすいことの表れではないでしょうか」と宮浦先生。ユーザ対応の工数が減った分コンテンツに目を向けることができるし、保護者向けに設定などの情報提供を行うことも可能となる。

須磨学園にとってFirstClassはコミュニケーションのツールという本来の役割を超え、生徒や保護者に安心と満足を提供するツールとして活用されているのである。

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