FirstClass 11.0同期サービスエンドユーザガイド
FirstClass同期サービスについて
FirstClass同期サービスを利用すると、FirstClassシステムでSyncMLインタフェースとActiveSyncインタフェースが使えるようになります。SyncMLとActiveSyncは、重要なユーザデータをサーバと同期する方法として、さまざまな種類の携帯端末やデスクトップアプリケーションがサポートしている業界標準のプロトコルです。
FirstClass同期サービスは、管理者がFirstClassシステムにインストールしておく必要があります。FirstClass同期サービスがインストールされていれば、FirstClassの予定、コンタクト、作業を最大4つのリモートデバイスおよびアプリケーションに同期できます。同期先として、携帯電話、スマートフォン、PDA、標準的な電子メールクライアントなどを選択できます。
SyncMLまたはActiveSyncに対応したデバイスは、有線または無線データネットワーク経由で標準的なHTTPデータ接続を使用してコマンドを送信することでFirstClass同期サービスとやり取りできます。
このヘルプでは、FirstClass同期サービスのバージョン11について説明します。
同期サービスを利用できるデバイスの確認
携帯端末とアプリケーションには、あらかじめ同期機能が利用できるもの、サードパーティ製ソフトウェアを追加することで同期を利用できるもの、および同期を利用できないものがあります。
お使いのデバイスで同期を利用できるかどうか、また利用できる場合にSyncMLやActiveSyncを使用するのか、サードパーティ製のソフトウェアをインストールする必要があるのかについては、デバイスの説明書、システム管理者、またはデバイスの製造元に確認してください。
注意
お使いのデバイスがSyncMLとActiveSyncの両方に対応している場合は、どちらを使用するか選択してください。両方を使用しないでください。
以前にSyncMLを使用していて、ActiveSyncを使用する予定がない場合は、以下のActiveSyncに関するデバイス詳細設定を参照して、この切り替えを実行する方法を確認してください。
SyncML同期用のデバイス設定
1 デバイスの同期設定または同期プロファイルを選択して開きます。
この名前はデバイスによって異なります。
2 システム管理者から通知されたFirstClass同期サービスサーバのURLを入力します。
URLは、以下のように記述されます。
http://<同期サーバのIPアドレス>
3 FirstClassのユーザIDとパスワードを該当するフィールドに入力します。
4 同期するデータの種類を以下のように入力します。
データの種類 |
入力内容 |
コンタクト |
contacts |
カレンダーの予定 |
calendar |
カレンダーの作業またはTo Doの項目 |
tasks |
ActiveSync同期用のデバイス設定
注意
お使いのデバイスがSyncMLとActiveSyncの両方に対応している場合は、どちらかのみを選択してください。両方を使用しないでください。
SyncML同期からActiveSync同期に切り替えるには、以下の説明に従ってActiveSync用の設定を実行し、すべてのデータがFirstClassにあることを確認してから、デバイス上のデータをすべて削除し、ActiveSyncを使用してFirstClassから再同期を実行します。
ActiveSync用の設定方法
1 デバイスの同期設定または同期プロファイルを選択して開きます。
この名前はデバイスによって異なります。
2 [Exchange Server設定の自動検出]のチェックを外します。
3 システム管理者から通知されたFirstClass同期サービスサーバのURLを入力します。
URLは、以下のように記述されます。
http://<同期サーバのIPアドレス>
4 FirstClassのユーザIDとパスワードを該当するフィールドに入力します。
5 ドメイン名を入力します。
6 同期するデータの種類を以下から選択します。
・contacts
・calendar
・tasks
ActiveSyncの「プッシュ」の有効化
注意
「プッシュ」を使用すると、デバイスのバッテリ寿命が短くなる場合があります。
1 [メニュー]>[スケジュール]を選択します。
2 ピーク時間帯とオフピーク時間帯の両方で、[アイテム着信時]を選択します。
注意
このオプションがない場合は、ActiveSyncクライアントを新しいバージョンにアップグレードすることが必要になる場合があります。
同期用のFirstClassアカウントの設定
[基本設定]フォームの[携帯端末]タブには、FirstClassをデバイスと同期させる方法が設定されています。新しいデバイスを初めて同期すると、FirstClass同期サービスは最初に利用可能な(有効になっていない)デバイスのフォームに設定情報を入力します。[個体識別番号]フィールドと[端末情報]フィールド用のデータがデバイス側から伝えられると、FirstClass同期サービスは、そのデバイスのフォームでこれらのフィールドに情報を入力し、[有効]チェックボックスにチェックを入れます。
同期をまだ実行していないためにデバイスのフォームに何も入力されていない状態でも、そのフォーム上でデバイスの設定を実行できます。例えば、[端末1]フォームでBlackBerry用の設定を行い、[端末2]フォームで他のクライアント用の設定を行った場合は、他のクライアントで初めて同期を実行する前にBlackBerryで同期を実行しておくようにしてください。
これらのフォームを使用すると、以下の設定を実行できます。
・FirstClass上のデータとデバイス上のデータの重複を解消する方法
・カレンダーの予定と作業を同期する日付の範囲
・予定の参加者をエクスポートまたはインポートするかどうかの設定
・次回の同期でやり取りするデータのレベル
・デバイスでの削除情報をFirstClassと同期させるかどうかの設定
設定方法
1 FirstClassデスクトップで[編集]>[基本設定]を選択します。
2 [携帯端末]タブの該当する端末のフォームで、目的の設定オプションを選択します。
ヒント
5つ以上のデバイスを同期させる場合は、他のデバイスを同期させるときに、どれかの端末のフォームで[有効]チェックボックスのチェックを一時的に外すとそのフォームを無効化できます。
これらのフォームでの設定について詳しくは、オンラインヘルプの[基本設定]フォームのヘルプを参照してください。
同期用のFirstClassコンタクトフォームの設定
1 FirstClassデスクトップで[編集]>[基本設定]を選択します。
2 [全般]タブの[コンタクトのフォーム]で[デフォルト]を選択します。
これにより、既存のコンタクトフォームおよび新しく追加するコンタクトの形式が変更されます。
同期するFirstClassコンタクトとデバイスの組み合わせの設定
FirstClassのコンタクトと同期させるデバイスの種類を選択できます。
注意
デフォルトでは、すべてのFirstClassコンタクトがすべてのデバイスに同期されます。従って、この設定が必要になるのはデフォルト動作を変更する場合のみです。
設定方法
1 FirstClassデスクトップで[ファイル]>[開く]>[コンタクト]を選択します。
2 特定のデバイスに同期させるコンタクトを開きます。
3 [メモ]タブで、このコンタクトと同期するデバイスのチェックボックスにチェックを入れます。
これらのチェックボックスを表示するには、バージョン8.3以降のクライアントを使用する必要があります。
同期の実行
特定のデバイスとFirstClassアカウントとの同期を一度実行すれば、その後はデバイスに搭載されている同期用のメニューコマンドまたはボタンを使用するだけでいつでも同期を開始できます。ただし、初めて同期を実行する場合は、以下のような検討事項と作業が必要になります。
同期を初めて実行する場合の準備
デバイスの同期を初めて実行する場合は、事前にFirstClassでコンタクト、予定、および作業のコピーを作成し、同期が失敗してもデータを復元できるようにしておくことをお勧めします。
コンタクトをコピーする方法
1 [ファイル]>[開く]>[コンタクト]を選択します。
2 [ファイル]>[エクスポート]を選択します。
[コンタクトのエクスポート]フォームが表示されます。
3 [すべてのコンタクト]および[vCard (.vcf)]を選択します。
予定と作業をコピーする方法
1 [ファイル]>[開く]>[カレンダー]を選択します。
2 [ファイル]>[エクスポート]を選択します。
[カレンダーのエクスポート]フォームが表示されます。
3 [iCalendar(.ics)]を選択します。
初めてのデバイス同期の実行
FirstClassアカウント上のデータとデバイス上のデータが(完全に一致してはいないものの)ほぼ同じである場合は、エントリの重複を避けるために最初は一方向の同期を行うことをお勧めします。
一方向の同期を行うには、以下のいずれかの手順に従ってください。
・デバイス上のすべてのデータがFirstClassサーバ上のデータと完全に一致していることを確認してから、デバイス上のすべてのデータを削除する(この手順をお勧めします)。
・FirstClassサーバ上のすべてのコンタクトを削除(または他のコンテナに移動)して[コンタクト]コンテナを空にし、すべてのコンタクトがデバイス上にあることを確認する。
・FirstClass上のコンタクトとデバイス上のコンタクトを統合して重複をなくす。
同期の方法
1 デバイス上でSyncMLクライアントまたはActiveSyncクライアントを起動します。
2 デバイスの同期設定を実行したときに保存したプロファイルを選択します。
3 同期するデータベースを選択します。
4 同期を開始します。
初めてデバイスをFirstClassと同期すると、スロー同期(完全な同期)が実行されます。FirstClass同期サービスは、各同期対象データを読み取り、同期が必要かどうかを判断し、同期したデータにはマークを付けます。2回目以降の同期では新しいアイテムと変更されたアイテムだけが検証されるため、処理速度が速くなります。
5 初めての同期が完了したら、もう一度同期を実行します。
サーバとリモートデバイスの間で単純な双方向の同期が実行されます。変更されているデータはないため、この同期は数秒足らずで終了します。この同期の再実行によって、同期が双方で行われたことが確認されます。この再実行が必要になるのは、初めて同期を実行した後のみです。
エラーメッセージおよび情報メッセージ
FirstClass同期サービスは、ユーザによる監視や調整が必要となる以下の状況が発生すると、FirstClassのメールボックスに通知を送信します。
- 「プッシュ」が検出された場合(デバイスのバッテリ寿命が短くなる可能性があることを警告するメッセージを送信します)
- 5番目のデバイスを登録しようとしたことが検出された場合
- コンタクト画像が破損してるために同期が行われない場合
- 新しいデバイスが登録された場合(ユーザへの通知が目的です)
カレンダーとコンタクトのサブコンテナを使用する場合
注意
現時点では、iPod touchまたはiPhoneでActiveSyncを使用する場合にのみこの機能を利用できます。
カレンダーおよびコンタクト内にサブコンテナを作成し、親コンテナの一部として表示させることができます。サブコンテナは個別のグループとして名前別に表示され、サブコンテナの内容がデバイス上の対応するグループに同期されます。複数のグループを作成できますが、他のユーザと共有しているコンタクトとカレンダーは保護され、iPhone上で行った変更はFirstClassに反映されません。また、同期されるのは1つ下の階層にあるサブコンテナのみです。2つ以上下の階層にあるサブコンテナは同期されません。この機能を利用すると、同期を許可しないサブコンテナ(同期が禁止されている取引先情報を大量に含む特別なサブコンテナなど)が、FirstClass同期サービスからは検出されず、FirstClassクライアントからは(検索時に)検出されるように設定できます。
iPhoneでの新しいグループの作成
1 新しいコンタクトまたはカレンダーのフォルダを作成し、データを入力します。
2 その新しいフォルダをメインの[コンタクト]フォルダまたは[カレンダー]フォルダにドラッグアンドドロップします。
3 同期を実行します。
同期が完了すると、iPhoneに[コンタクト](または[カレンダー])というグループとその新しいフォルダのグループの2つのグループが作成されます。この2つのグループを切り替えて使用できます。
iPhoneでの既存のグループの削除
1 [コンタクト]フォルダまたは[カレンダー]フォルダから削除するグループをFirstClassデスクトップまたはその他のフォルダにドラッグします。
2 同期を実行します。
このグループおよびそのすべての内容がiPhoneから削除されます。
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