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Mac OS Xでのインストールと設定




FirstClassサーバとインターネットサービスのインストール
FirstClassサーバとインターネットサービスは、別々のマシンにインストールすることも、1つまたは複数のプロセッサを搭載した同じマシンにインストールすることも可能です。インストールの最低要件は、どちらの場合もリリースノートに記載されています。ただし、システムの実際のパフォーマンスは、ハードウェアの性能とシステムの利用頻度によって異なります。
FirstClassサーバとインターネットサービスを別々のマシンにインストールする場合は、プロセッサの性能が高い方のマシンでインターネットサービスを実行することをお勧めします。ただし、この判断はシステムの利用方法にも大きく左右されます。例えば、システムをおもにWebサーバとして使用する場合は、より高性能のマシンでインターネットサービスを実行した方がよいでしょう。その反対に、ユーザがFirstClassサーバをひんぱんに利用する場合には、ディスク容量の大きいマシンでサーバを実行した方がよいでしょう。
FirstClassのインストール準備
FirstClassをインストールする前に、「fcadmin」というユーザを作成してMac OS Xにログインしてください。fcadminユーザを作成するには、以下の手順に従ってください。
1 [アップルメニュー]>[システム環境設定]>[アカウント]を選択します。
2 [新規ユーザ]をクリックして、[新規ユーザ]フォームを開きます。
3 ロングネームとショートネームを入力します。
ロングネームには任意の名前を入力できますが、「FirstClass Administrator」とすることをお勧めします(このドキュメントでは、「FirstClass Administrator」に設定したと仮定します)。
ショートネームは必ず「fcadmin」にしてください。
4272004_110434_1.png注意
ショートネームを正しく登録しないと、FirstClassをインストールできなくなります。
4 このユーザのパスワードを入力します。
FirstClassのインストールやその他の管理作業を行う際に、このパスワードの入力が求められるようになります。
5 「管理を許可するユーザ」を選択します。
4272004_110434_1.png注意
この設定を行わないと、管理者権限が与えられないため、FirstClassをインストールできなくなります。
6 現在のユーザアカウントからログアウトして、fcadminでログインしなおします。
FirstClassのインストール
インストール中に、FirstClassサーバとインターネットサービスのどちらをインストールするのか尋ねる画面が表示されます。両方を同じマシンにインストールする場合は、両方ともデフォルトの[Yes]のままにしてください。FirstClassサーバとインターネットサービスを異なるマシンにインストールする場合は、2台のマシンでインストール作業を行い、マシンごとにインストールしたいものを選択してください。
インストーラは、FirstClassサーバとインターネットサービスが「すぐに動作する」ように、[システムプロファイル]フォームと[インターネットの基本設定]フォームのデフォルト設定を試みます。そのため、このデフォルト設定の内容について尋ねる画面がインストール実行中に表示されます。インストールが完了したら、これらのフォームを開いて、設定内容を変更する必要がないことを確認してください。
また、サーバとインターネットサービスをマシンの起動時に自動起動させるかどうかを尋ねる画面も表示されます。デフォルトでは、サーバとインターネットサービスは、マシンの再起動後にバックグラウンドで実行されます。Mac OS Xにログインしていない状態でも同様です。
06092010_122716_1.png注意
インストール後にFirstClassサーバやインターネットサービスの「自動起動」を無効にすることもできます。そのためには、/Libraryフォルダ内の[StartupItems]フォルダから、FirstClassサーバやインターネットサービスのフォルダを削除します。
以下の手順に従ってFirstClassをインストールしてください。
1 [Install FirstClass Server.command]をダブルクリックして、インストーラのスクリプトを開始します。
2 画面の指示に従って操作します。
たいていの場合、表示されたデフォルトの設定内容を確認して[Enter]キーを押すだけです。
3 インストール作業の終了後にマシンを再起動して、サーバかインターネットサービスを自動起動させるか、インストーラによってデスクトップに作成されたアイコンからサーバとインターネットサービスを手動で起動します。
06092010_122716_1.png注意
インターネットサービスをインストールしたマシンで他のHTTPサービスまたはFTPサービスがすでに有効になっていると、他のサービスに予約されているポートをインターネットサービスが開くことができなくなります。競合しているサービスが無効にするには、[アップルメニュー]>[システム環境設定]>[共有]を選択して、該当するサービスを無効にしてください。


サーバの起動とログイン
システム管理作業を行うには、サーバからであろうとクライアントからであろうと、FirstClassサーバが実行されていなければなりません。管理者が行う管理作業の大半は、クライアントソフトウェアで管理者としてログインして行います。
サーバの起動
デフォルトでは、Mac OS X版のインストーラによって、サーバとインターネットサービスはシステムの再起動時に自動起動するよう設定されています。サーバとインターネットサービスは、マシンの再起動後にバックグラウンドで実行されます。Mac OS Xにログインしていない状態でも同様です。また、サーバを手動で起動させることもできます。
FirstClassサーバのアプリケーションは、[FirstClass]フォルダの/Libraryフォルダ内にあり、名前はfcsd(FirstClassサーバデーモン)です。fcsdを直接起動することもできますが、Mac OS XのデスクトップにあるFirstClass Server Startエイリアスを利用することをお勧めします。デスクトップには、以下のエイリアスが作られます。
FirstClass Server Start 62204_93826_0.png
FirstClass Server Stop 62204_93851_1.png
Internet Services Start 62204_93945_3.png
Internet Services Stop 62204_94001_4.png
Status of FirstClass Services 62204_40306_0.png
また、(用意されている)シェルスクリプトを利用して、以下の要領でサーバとインターネットサービスを起動、停止したり、状況を確認したりできます。
1 [移動]>[アプリケーション]を選択します。
2 [ユーティリティ]フォルダにある[ターミナル]というTerminalアプリケーションをダブルクリックします。
3 以下のコマンドから1つを選んで入力し、[Enter]キーを押します。
4 パスワードの入力が求められたら、
fcadminユーザのパスワードを入力してください。
利用可能なコマンド
・fcsctl start:サーバを起動
・fcsctl stop:サーバを停止
・fcsctl status:サーバの状態をチェック
・fcisctl start:インターネットサービスを起動
・fcisctl stop:インターネットサービスを停止
・fcisctl status:インターネットサービスの状態をチェック
06092010_122716_1.png注意
ルートユーザかマシンの管理者権限を持つユーザだけが、サーバとインターネットサービスを起動、停止できます。サーバとインターネットサービスは、実行したユーザに関わらずルートユーザ権限下、または管理者グループ権限下で起動され、実行したユーザのユーザ権限下に戻ります。その後は、予約されているIPポートを開くときだけルートに相当するアクセス権限下に切り替わります。現時点では、fcadminユーザだけに対応しています。したがって、手動でのサーバとインターネットサービスの起動はfcadminアカウントから行ってください。
管理者としてログイン
FirstClassをインストールすると、管理者用の特別なユーザアカウントが作成されます。
・ユーザIDは「admin」です。
・パスワードは「admin」です(必ず変更してください)。
・ユーザ名は「Administrator」です。
4272004_110434_1.png注意
ご利用のシステムのセキュリティを守るため、この管理者アカウントのパスワードはログイン後すぐに変更してください。変更するには、[ツール]>[パスワードの変更]を選択します。変更したパスワードは誰にも知られないようにしてください。接続設定ファイルにパスワードを保存しないことをお勧めします。
81203_40013_5.png警告
管理者アカウントの名前、パスワード、ユーザIDは、変更することはできますが、絶対に削除しないでください。削除してしまうと、管理者としてログインできなくなるため、サーバの再インストールが必要になります。管理者の方は、管理作業ではない個人的な作業を行うための個人用アカウントを作成して利用することをお勧めします。
Webベースのクライアントで管理者アカウントにログインすることもできますが、すべての管理作業を行うには、FirstClassクライアントソフトウェアを使用しなければなりません。



サーバとライセンスの登録
初めて管理者としてログインしたら、オンライン登録フォームのアイコン(下図)が管理者用デスクトップにあることを確認してください。このアイコンをクリックして、登録フォームを開きます。
このフォームに必要事項をご記入の上、Open Textまでお送りいただくと、ソフトウェアやマニュアルのアップデート版をオンラインで取得したり、弊社のお客様用会議室で技術的な質問をしたりできるようになります。入力が完了したら、あらかじめ設定されている宛先にメールでお送りいただくか、このフォームを印刷して本文に記載の送付先に郵送してください。
フォーム上のすべてのフィールドに入力する必要はありません。また、いくつかのフィールドはあらかじめ入力されています。必須入力事項ではないフィールドについては、フォーム上で説明しています。このフォームを送信すると、そのコピーがデスクトップ上に保存されるため、後で内容を確認できます。
登録フォームをお送りいただきましたら、弊社のオンラインシステムにアクセスしてお客様用会議室を利用するのに必要な情報を弊社よりお送りいたします。



[システムプロファイル]フォームの設定
サーバをインストールして管理者としてログインしたら、システムプロファイルの設定を行ってください。このフォームにある大半のフィールドには、インストール作業時に入力した情報がすでに設定されています。
システムプロファイルを開くには、[管理]>[システムプロファイル]を選択してください。
このフォームのヘルプを見るには、このフォームが開かれている状態で[F1]キーを押してください。



[FirstClass Server]フォルダ
FirstClassサーバとインターネットサービスのファイルは、/Libraryフォルダ内の[FirstClass Server]フォルダに保存されています。FirstClassのシステムにログインしてFirstClassをご利用になる前に、[FirstClass Seriver]フォルダの内容についてよく理解しておくとよいでしょう。
[FirstClass Server]フォルダには、FirstClassサーバのアプリケーション、およびすべての補助ファイルが保存されています。インターネットサービスをFirstClassサーバと同じマシンにインストールした場合は、インターネットサービスもこのフォルダに保存されます。異なるマシンにインストールした場合は、インターネットサービスはインターネットサービスをインストールしたマシンの[FirstClass Server]フォルダに保存されます。
このフォルダには、以下のようなフォルダやファイルが含まれています。
・fcsd
FirstClassのコアサーバの実行ファイルです。
・fcsd.rez
FirstClassサーバのリソースです。
・fcslang.rez
FirstClassの言語リソースファイルです
・FirstClass Server Start.command/FirstClass Server Stop.command
FirstClassサーバの起動と停止を行う管理スクリプトを開始するコマンドです。
・.logファイル/.oldファイル
ログファイルは、サーバかインターネットサービスを起動するたびに生成されます。LOGファイルには、最後に実行したときの詳細なログ情報が記録されます。また、OLDファイルには、その前に実行したときのログ情報が記録されます。この2つのファイルの情報はサーバを起動するたびに更新されるため、3回以上前に再起動したときの情報は失われます。ただし、/Library/FirstClass Server/Volumes/Master/fcns/logfilesにあるサーバログには、今までの情報が保存されます。
06092010_122716_1.png注意
Windowsや旧Mac OSでFirstClassをご利用になった経験があれば、このログファイルに記録された情報をFirstClassのサーバコンソールで確認する方がやりやすいかもしれません。
・Status of FirstClass Services.command
FirstClassサーバとインターネットサービスの状況を表示する管理スクリプトを開始するコマンドファイルです。
・Volumes
このサーバにアクセスできる論理FirstClassボリュームの一覧を作成できるフォルダです。ボリュームは物理ドライブと直接対応付けられている必要はありませんが、フォルダもしくはMac OS Xのファイルシステム階層で表示できる場所のシンボリックリンクをボリュームにすることができます。そのため、このようなボリュームを論理ボリュームといいます。FirstClassの論理ボリュームに関する詳細は、Administrationヘルプの「FirstClassボリュームの使用」の項を参照してください。
・fcfixvol
ネットワークストアを他のボリュームにコピーした後かバックアップから復元した後、ネットワークストア内のファイルとフォルダに元の権限を正しく設定するために使用するユーティリティです。システムの移行を行う場合に備えて、ネットワークストアのファイル名をすべて小文字に変換して、Mac OS Xのファイルシステムで利用できるようにするユーティリティ(fclower.pl)も用意されています。
インターネットサービスのフォルダとファイル
インターネットサービスをこのマシンにインストールした場合は、以下のフォルダやファイルも[FirstClass Server]フォルダ内に保存されます。
・fcisd
インターネットサービスの実行ファイルです。
・fcisd.rez
インターネットサービスのリソースです。
・fcp
FCPネットワークプロトコルの定義ファイルが保存されているフォルダです。FCPは、FirstClassクライアントやサービスモジュールと、FirstClassサーバとの間の通信に使用されるプロトコルです。
・config
インターネットサービス用の設定ファイルが保存されるフォルダです。
・inetsvcs.fc
インターネットサービスの設定ファイルです。FirstClassサーバとインターネットサービスを同じマシンにインストールした場合は、127.0.0.1がデフォルト設定となります。FirstClassサーバとインターネットサービスを異なるマシンにインストールした場合は、サーバのIPアドレスとサーバ名を変更してください。詳細は、「inetsvcs.fcファイルの設定」の項を参照してください。
・Internet Services Start.command/Internet Services Stop.command.
インターネットサービスの起動と停止を行う管理スクリプトを開始するコマンドです。



Mac OS XでのFirstClassのファイル保存場所
Mac OS XでのFirstClassのファイルとフォルダの所有権、属性、保存場所について確認し、把握しておくことをお勧めします。Mac OS XでのFirstClassサーバの運営についてよく理解されている場合でも、この情報を印刷してサーバマシンの横に掲示し、いつでも見られるようにしておくとよいでしょう。
fcadminはMac OS Xのユーザで、FirstClassサーバとインターネットサービスの実行と管理を行います。fcadminユーザはMac OS Xの管理者グループに所属しており、すべてのファイルの所有者です。
FirstClassサーバ(名前はfcsd)は、完全なUnixデーモン(サービス)として実行されます。また、インターネットサービス(名前はfcisd)は、アプリケーションとしてバックグラウンドで実行されます。ただし、インストール時の選択によって、両方ともシステム起動時に自動的にバックグラウンドで実行させることができます。その場合、ユーザのログインは必要ありません。
一部のルートディレクトリ(/で始まるディレクトリ)は、Finderでは表示されません。/usrや/Volumesなどのフォルダを表示するには、Finderの[移動]>[メニューコマンド]を選ぶか、[Command]+[Shift]+[G]キーを押すか、「ターミナル」ユーティリティを使用しなければなりません。
場所:
/Library/FirstClass Server/
fcsdおよびfcisdの両方に関連するすべての実行ファイルが保存されています。
/Library/FirstClass Server/fcfixvol
ファイルの権限や所有権を設定したり、ファイル名を小文字に変換したりするために使用するネットワークストアのユーティリティが保存されています。このユーティリティはいつでも実行できます。
/Library/FirstClass Server/fcisd.log
/Library/FirstClass Server/fcisd.old
インターネットサービスをこのマシンにインストールした場合に、最後に起動してからのログと、その前に起動してからのログがそれぞれ記録されます。
/Library/FirstClass Server/fcp
inetsvcs.fcを使用して、サーバへの接続を確立するFCPファイルです。
/Library/FirstClass Server/fcsd.log
/Library/FirstClass Server/fcsd.old
起動してから現在までのサーバログと以前のサーバログです。以前の[Console To File]にあたるものです。
/Library/FirstClass Server/inetsvcs.fc
インターネットサービスの設定ファイルで、インターネットサービスをこのマシンにインストールした場合にだけ作られます。
/Library/FirstClass Server/Volumes/Master/fcns
マスタ論理ボリュームです。
/Library/FirstClass Server/Volumes/.../fcns
セカンダリ論理ボリュームです。ただし、設定されている場合にだけ表示されます。
/Library/FirstClass Server/Volumes/.../ fcns8001
ミラー論理ボリュームです。実際に存在する場合にだけ表示されます。
/Library/FirstClass Server/Volumes/に表示されているのはすべて他のディレクトリやボリュームへのリンクですが、[fcns]フォルダそのものやその配下のフォルダをシンボリックリンクにすることはできません。
06092010_122716_1.png注意
必ずfcfixvolユーティリティをすべての論理FirstClassボリューム上で最低一回は実行してからサーバを起動してください。
/Library/StartupItems/FirstClass Internet Services
インストール時にインターネットサービスの自動起動を選択した場合にインストールされます。このフォルダを削除して、システム起動時にインターネットサービスが自動実行されないようにできます。
/Library/StartupItems/FirstClass Server
インストール時にFirstClassサーバの自動起動を選択した場合にインストールされます。このフォルダを削除して、システム起動時にコアサーバが自動実行されないようにできます。
Library/FirstClass Server/Stats
必要に応じて、Administrationヘルプの「アクティビティ統計値の収集」に記載されている要領で、このフォルダを手動で作成してください。このフォルダを作成する場合は、上述のパスに置くことをお勧めします。デフォルトでは作成されません。
/usr/sbin/fcsctl
/usr/sbin/fcisctl
サーバとインターネットサービスの管理スクリプトで、「ターミナル」シェル、デスクトップアイコン、およびStartupItemsスクリプトから使用します。通常、Finderのデスクトップから表示されます。[移動]>[フォルダへ移動]([Command]+[Shift]+[G]キー)を選択し、「/usr/sbin」と入力するとこれらのファイルを見ることができます。
06092010_122716_1.png注意
このフォルダには、更新や削除が禁止されているMac OS Xのシステムファイルも数多く含まれています。
/Volumes
Mac OS Xのデスクトップにマウントされた利用可能なボリュームの一覧が表示されます。/Volumes with /Library/FirstClass Server/Volumesとは異なりますのでご注意ください。

 

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